打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 感想

注意

あくまでこの感想は私が見て感じたことを書き綴るもので、人によっては真反対の感想になるかもしれません。
また、ある程度のネタバレはありますので、そのあたりを許せる人だけ読むようにお願いします。

感想を端的に述べてみる

面白かった。決して名作ではないけど、この作品で描きたかったことがすごくわかる。
ご都合主義的な部分も多いのでそのあたりが許容できるかが分かれ目か。

声優の演技について、前情報から悪評多かったがそこまで悪いもんじゃないと思う。
知っている声優であるほうが興を削ぐ気もして、自分には合っていたような気がする。

この作品で描きたかったことを考察してみる

間違いなく『もしも』がキーワードだ。
ぶっちゃけ花火は添えられたものであって、全てはそのもしもが根底にある。
多分誰もが、「あのときもしもこうなっていたら、未来は変わっていただろうか?」と考えたことがあると思うが、それを本当に作品の中でやっているという感じ。

特に自分は、最後のもしも玉が割れて欠片になるシーンではっきりと描きたいものが見えた気がした。
きっと選択肢は無限にあって、偶然ある選択をした世界線にいるというだけなのだろう。
今日自分がこの映画を見た世界線に自分がいるだけであって、もしかすると見ていない世界線もあって、その決定には無限の選択を内包しているのかなと。

ちなみに瑠璃色の地球は大好きな楽曲なのであのシーンで感動した。反則だろそれ……って思ってました。
あの電車の中での出来事―セリフの一つ一つに意味があるような気がして、再婚が三度目のような事を言っていたけど、もしかするとこうやって家出したいと思ったのも今回だけじゃないのかなと考えられる。
そんな中で、「あなたがそこにいたから生きて来られた」という歌詞は強いなあと。

ぶっちゃけ思うところを何個か

シャフト感がないとは言わないが、なんというか、重いシャフト攻撃みたいな(わかりにくい)のがほしかった。
少しそのあたりは日和ったのか、わざと弱めにしたのかが気になる。

あとは、根本的に二時間?くらいの尺は勿体無いようにも思う。
なずなのキャラが全然生きてこない。きっと過去の辛さとかあると思うし、もしかするとあの学校に沢山の思い出があるのかもしれなくて、友達とかいるのかなとか色々思うけど、なんかよくわからないところがある。
過剰でもインパクトの有る過去を見せてほしかったし、彼女をもっと彼女として見たかった。ビジュアル第一で、キャラが生きてないように思った。*1

幻想的な世界観?を作りたかったのか、ただ純粋に『もしも』の世界を描きたかったのか、どちらにしても中途半端で惜しかったなという感じ。
あの選択をやり直して好きな子と付き合う―なんていう、まさしく願いそうなことを願って、ただ自然に花火を見てっていう話でも良かったんじゃないだろうか。
だったら自分で作れってところですね。すみません。

*1:後から自分で補正を加えたらなるほどってなるけど、劇場でそれは流石に無理がある。特にループもので把握することに頭を使うし。