リーグ・オブ・レジェンド観戦ガイド~第二章~

俺についてこい!
俺はミノタウロスの戦士、f:id:Marco3jp:20170921151958p:plainアリスターだ。
さっきはトリスターナが簡単に試合の流れを教えてくれたがここからは俺の出番だ。

以上のように分けて話をする。
聴き逃したら串刺しにしてやる!よく聞いて理解しろ!

ステータス

まずはステータスだな。なお今後は括弧内に記載する略称を用いる。

基礎ステータス

物理攻撃(AD)/魔法攻撃(AP)という攻撃向きなステータス
物理防御(AR)/魔法防御(MR)という防御向きなステータス

汎用ステータス

体力(HPなど)/マナ(MN)/移動速度(MS)といったステータス

攻撃向きな特殊なステータス

攻撃速度(AS)/クリティカル/ライフスティール(LS)といったステータス

観戦するだけなら基本的にあまり数字を気にする必要はない。
防御については計算式が独特で、100で50%ダメージ減となるように調整されている。
ただ200で100%カットにはならないから、段々とコスパが悪化していく。
だから体力とのバランスが大事になってくる。
ここに書いていないが、(物理/魔法)防御貫通というステータスがある。
ダメージを出したいチャンプはそれぞれ貫通持ちのアイテムを買うことが多い。 

スキル/オートアタック(AA)

次にスキル/オートアタック(AA)についてだ。
さっきのトリスターナの話で、相手を倒すことについて触れたはずだ。
よく考えてみろ。何もしなきゃ倒せないぞ。
つまりダメージになる何かが必要で、その鍵がスキルとオートアタックだ。
基本的にトリスターナのようなADCや、俺の友達であるシンジャオのようなファイターはオートアタックが重要なダメージ源になる。
逆にメイジと呼ばれる魔法使いたちはスキルがダメージ源になるんだ。
もちろん例外もあって、ADCであるトリスターナの爆弾みたいなスキルは強い。*1
ここでスキルとAAの大きな違いを挙げておこう。

  1. マナ消費の有無
  2. クールダウンの有無
  3. レベルの有無

1番目は多分わかると思う。スキルを使うのにはだいたいマナが必要なんだ。
逆にAAにはマナが必要ない。

2番目は少し馴染みがないかもしれない。
例えばスキルがマナを必要としても、ある限り毎秒最強技が打てたら大変なことだ。
だからスキルによって数秒待たなければいけなかったする。
この待ち時間をクールダウン(CD)と呼ぶんだ。
アルティメットと呼ばれる必殺技だと2分以上待たなければならないものもある。

3番目もわかりにくいな。まず最初からスキルが使えるわけじゃない。
レベルを上げるごとにスキルポイントを得て、振り分けていくんだ。
Q,W,Eに割り当てられる通常スキルはそれぞれ五段階になっている。
更にアルティメットが割り当てられるRが三段階だ。*2
アルティメットはそれぞれの段階でLv6,11,16以降にしか取れない。
だから先にLv6になれるかはとても重要なんだ。

CCスキル

さらにスキルの中でも、相手の行動を阻害する効果を持ったものがある。
行動阻害をCrowd Controlといい、略してCC(しーしー)と呼ぶことが多い。
俺も超強力なCCスキルを持っていて、ノックアップ*3とノックバック*4とスタン*5の三種類を与えることが出来るんだ。*6
他にも移動速度が低下するスローや、スキルが何も使えなくなるサイレンス
移動が不可能になるスネア攻撃者の方向に強制移動してしまうチャームなどがある。
これらのCCは唯一無二の強力さで、どう組み合わせるかも大事な要素になってくる。
特に強力なCCを連続して当てるCCチェインは恐れられる存在なんだ。*7
どれだけステータスが高くても動けないまま殺されてしまうからな。

閑話休題

なぜトリスターナたちがADCと呼ばれるのかについて話そう。
一言で言えばアタックダメージ(AD)でキャリー(Carry)するからだ。
AAにはクールダウンがないからずっと攻撃し続けられる
つまり敵がたくさんいても途切れることなくダメージを出し続けられる。*8
もちろん相手からすると(MIDと共に)真っ先に倒してしまいたい筆頭チャンプだ。
だから俺みたいなタンクが体を張って守ったり、逆に相手のADCを捕まえるんだ。

モナースペルとキーマスタリー

モナースペル

まずはモナースペルだ。
モナースペルというのは、全サモナーが好きに二つ選べるスキルなんだ。
どれも超強力だがクールダウンが長いという欠点がある。(3~5分くらい)
だいたい役割によってどれを取るかが決まっている。
例えば基本的に全員f:id:Marco3jp:20170921152447p:plainフラッシュを持つ。こいつは最強だ。
効果は瞬間移動。詠唱なし、接触判定なし、壁越え可能というチートクラスだ。
ただしこいつはクールダウンがなんと300sもあるから要注意。


TOPはf:id:Marco3jp:20170921152620p:plainテレポートを持つ。これはその名の通り、テレポートをするんだ。
この後説明するワードやタワー、ミニオンなどを指定して飛べるんだ。
ただしフラッシュと違って数秒間詠唱する必要がある。
前述したCCスキルを食らうと止められてしまうから要注意だ。

ちなみにこいつは去年のWorldで魅せた最高のTPストップだ。
このCCによってTPを止め、戻るのを遅らせて勝ちきった。


JGはf:id:Marco3jp:20170921152721p:plainスマイトを持つ。これは中立モンスターにトゥルーダメージ*9を与える。
これによってドラゴンやバロンなどの最終ヒットを確実にするんだ。
逆に言えばこれを使って相手が取ろうとしているドラゴンなどを奪うことも出来る。
これをスティールと言って、大逆転につながることもあるんだ。


MIDは前述したテレポートやf:id:Marco3jp:20170921152849p:plainイグナイトf:id:Marco3jp:20170921152912p:plainクレンズなどを持つ。

前者は数秒間相手を炎上させてダメージを与え、効果時間の間視界を得る。
回復効果を減少させる効果があるので、ワンコンで敵を倒したい場合に持つ事が多い。

後者はCCを無条件で解除し、その後後数秒間はCCの効果を減少させる。
相手に強力なCCがある場合にリスクを下げる判断として持つことがある。


ADCはf:id:Marco3jp:20170921153016p:plainヒールを持つことが多い。これはHPを少し回復し、MSを一気に上昇させる。
突然襲われたときにHPを維持しつつ逃げる場合に命綱になる。
逆に攻めるときにHPを維持しつつ移動したいときにも使ったりする。

SUPは前述したイグナイトやf:id:Marco3jp:20170921153130p:plainイグゾーストを持つ。
これは相手の移動速度を低下させ、対象が与えるダメージを減らしてくれる。
集団戦でADCやMIDにかけることでダメージを減らし、更に狙いやすくなる。


他にも状況によってf:id:Marco3jp:20170921153406p:plainゴースト(一時MSバフ)f:id:Marco3jp:20170921153449p:plainバリア(一時シールド)もある。
今の環境だとどれも採用される確率が高いので、ここも確認すると楽しめるだろう。

キーマスタリー

追記、この項は2018年現在情報が古いです。気をつけてください。

これは全員がセットするマスタリーというものの中で一番効果のあるものだ。
一人一つ選択でき、やりたいことに合わせて選ぶことが多い。
ここは箇条書きにするから、必要に応じて読んでほしい。

闘争本能系統(基本的にADCやファイター系)

f:id:Marco3jp:20170921153625p:plain渇欲の戦神(通称:渇欲)
歩くとスタックが100まで貯まる。
最大時に攻撃をするとダメージに合わせてHPが回復しMSが0.75s間増加する。

f:id:Marco3jp:20170921153654p:plain戦いの律動(通称:律動)
相手チャンプに通常攻撃を与えることでスタックを得る(最大8)
スタックごとにADが1~8上昇(レベル依存、最大で+AD64)

f:id:Marco3jp:20170921153713p:plain死神の残り火(通称:残り火)
相手チャンプにスキルで攻撃を与えると対象に魔法ダメージを4s間与え続ける*10

計略思想系統(基本的にメイジ系)

f:id:Marco3jp:20170921153813p:plain嵐乗りの勇躍(通称:嵐乗り)
2.5s以内に相手チャンプの最大HPの30%を超えるダメージを与えることで発動。
3s間MSが増加し、スローの効果を75%減少させる。

f:id:Marco3jp:20170921153835p:plain雷帝の号令(通称:雷帝、サンダーロード)
相手チャンプに対し3s以内に与えた三度目の攻撃かスキルに魔法ダメージを加える*11

f:id:Marco3jp:20170921153850p:plain風詠みの祝福(通称:風詠み)
スキルによる回復とシールドの効果を10%強化する。
また自分以外に与えた場合、3s間対象のARとMRを強化する。(AR:5~22,MR:2.5~11)

不撓不屈系統(基本的にタンク系)

f:id:Marco3jp:20170921153914p:plain不死者の握撃(通称:日本語だと不明、グラスプ)
戦闘中4sごとに敵チャンプに対するAAに自身のHP依存の魔法ダメージを加える。
更に自分のHPを回復する。(遠距離兵だと効果が減る)

f:id:Marco3jp:20170921153930p:plain巨人の勇気(通称:???)
敵チャンプにハードCCを与えた際に自身に3s間シールドを付与する*12

f:id:Marco3jp:20170921153948p:plain岩界の盟約(通称:???)
自身の最大HPが5%増加。
更に移動阻害CCを与えたとき、相手に4s間"土のルーン"を付与する。
この対象に味方がAAすると、2sかけてHPが回復する。

アイテムについて(個別の解説は五章にて)

さて、ここからはアイテムの話をしよう。

ゴールドを使ってアイテムを買い、ステータスを強化していくという流れになる。
そしてトリスターナの言うとおり、ミニオンが主な資金源になる。
更にタワーはチーム全体に大きくゴールドが入ることもあって重要だ。

あるチャンプの買い揃えるアイテムをまとめてアイテムビルドと呼ぶ。
なお一人が持てるアイテムは六個までだ。

ProBuilds.netchampion.gg などで上位プレイヤーのアイテムビルドが確認できる。
ワールドまでに少しだけプレイしてみたいという方は一度覗いてほしい。*13
サイトは英語だが、ゲームのシステムに日本も海外も差はない。
ステータスは上に併記した名前のままなので読み替えれば困らないだろう。

詳しいアイテムの解説は五章にて行う。
ざっくり話すと、上記の通りゴールドを稼ぎ、素材アイテムを買う。
また同じように稼いだら、素材アイテムを進化させて強いアイテムにしていく。
最終形態まで来たら、また素材アイテムを買う……という具合だ。

視界について

最後に視界についてだ。
アイテム枠には特殊なトリンケット枠というものがある。(六個の制限外)
ここにはf:id:Marco3jp:20170921154604p:plainワードトーテムf:id:Marco3jp:20170921154618p:plainスイープレンズ*14が置かれる。

ワードトーテムというのが視界を取るアイテムだ。
表現は難しいが松明みたいなもんだと思ってくれればいいだろう。
そこに味方がいなくてもこれを設置することで照らしてくれるんだ。
ちなみに一つのワードは60~120s持続する。
視界によって相手の動きを把握し、相手JGのガンクを回避することも可能だ。
他にも相手がドラゴンをやっていないか、相手JGが味方側に来ていないか監視できる。

f:id:Marco3jp:20170921155108p:plain進化後のワードは少し特殊になる。
自分の場所から遠い場所でも設置できるようなり、壊されるまでずっと持続する。
しかしレンズを使わなくても相手から見え、通常のワードよりも脆い。*15

スイープレンズというのは、相手のワードを見つけるアイテムだ。
ただし進化前は一度に一つの場所しか確認できないので、見つけるのは難しい。*16

f:id:Marco3jp:20170921155134p:plain進化後のレンズは場所ではなく、自分の頭上に設置され移動しながら探せる。*17

それぞれのアイテムにはクールダウンがある。
ワードは180~90s、進化後のワードは148~99s、レンズは進化前後ともに90~60s。*18
良いところと悪いところができてしまうことが特徴だ。
キャリーは進化させ、TOPはそのまま、SUPとJGは進化後レンズというケースが多い。

しかし、それだけではワードが足りないのだ。
そこでSUPはf:id:Marco3jp:20170921155524p:plainサイトストーン(追記、2018年現在)、JGは状況次第でf:id:Marco3jp:20170921160838p:plainトラッカーナイフ*19を買う。
これらはワードをトリンケット枠以外で持つことが出来るアイテムだ。
前者は陣地に戻るごとに三個、後者は二個のワードを補給してくれる。
一人が同時におけるワードは三つまでなので、レンズに変えるほうが戦略的なのだ。

それでもワードは足りないのだ(本当だ)。
一個ずつワードが買えるのでそれを買うのだ。しかしこれも少々特殊な代物で……。
こいつは置くだけでレンズを設置したのと同じ効果が周囲に展開される。
名前はf:id:Marco3jp:20170921193324p:plainコントロールワードというが、その名の通りである。
しかしこれは進化後ワードと同じく、レンズを使わなくても見れてしまう。
その代わりに四回も攻撃しないと壊せない。その上永続だ。
ちなみにその強力さから、同時に一つしか置けない。これはワードと別枠だ。
だから視界の確保に使うのか、相手のワードを壊すために使うのかが重要になる。

ようやく視界について話し終えた……。
それだけ視界はサモナーズリフトの戦いで大事なんだ。
特にプロたちの試合になるとレーン内でキルが生まれることは少ない。
だから相手のジャングルの視界を取って陣取りゲームみたいに動くことが多いんだ。
これを視界のコントロールといい、これでレーンの主導権も握ることが出来る。
ガンクを避けるために下がる必要が出てきたりするからだ。
大会では解説の方が説明してくれると思うのでこの辺りを思い出しつつ聞いてほしい。
少しずつでも動きがわかってくるはずだ。

まとめ

ここまでが俺の話す内容だな。
一旦内容を振り返るが、

ステータス

AD/AP/AR/MR/HP/MN/MS/AS/クリティカル/LSあたりが中心になる。
防御力の計算が特殊。正直観戦しているとあまり関係がない。

スキル

クールダウンがあり、マナを消費する。
各通常スキルは五段階で、アルティメットは三段階。
特にCCスキルは危険。CCチェインされたら死ぬ(かもしれない)。

アイテム

ミニオンやキル、タワーなどを倒して金を稼いで買う。
素材を買って、それを上位アイテムに進化させていくというイメージ。

視界

ワードを置いて確保、レンズやコントロールワードで相手の視界を破壊。
サポートとジャングラーが主に動く。

といった具合だ。
これ以上詳しく知りたかったらぜひゲームをプレイするかWikiを見てほしい。
Youtubeにある動画を見てなんとなく雰囲気を楽しんでもらってもいい。
次の章からはいよいよプロの試合の見方を解説することになる。
ぜひそちらも読んでほしい。
以上、f:id:Marco3jp:20170921151958p:plain猛牛アリスターの解説だ。読んでくれたことに感謝する!

*1:試合を通せばメインのダメージ源はAAです。

*2:ごく一部のチャンプはこの通りではありません

*3:打ち上げ

*4:強制移動

*5:完全行動不可能

*6:それぞれ、Q,W,Eに当てられるスキルです

*7:強力なCCとは、CCの中でも効果時間が長かったり、AoE CC(AoEとはArea of effectの略で範囲効果のこと)などのことを指す

*8:ASのステータスはありますが、1秒に1回以上は攻撃できるのでCDというほどではないという具合

*9:防御無視ダメージ

*10:AD,APレシオ付き

*11:Lv,AD,APレシオ付き、対象とその周囲にも効果がある

*12:周囲にいるチャンプの数だけシールドが増加する

*13:前者はプロが戦うレートであるという前提、後者は一部データ不足という欠点もあるので参考にしつつ自分なりのビルドを考えてみるのがよい

*14:それぞれLv9以降はファーサイト・オルタレーションとオラクル・オルタレーションというものに進化できる

*15:通常のワードはHP3でこちらはHP1、ワードには固定1ダメージ

*16:一度使うと6s持続するので見つけた場合壊せる

*17:これは10s持続する

*18:全部レベルによって減少

*19:JGアイテムというものの派生、他にも派生があるので状況次第